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慶應通信の「経済原論(マクロ経済学)(E)」の科目試験に合格する方法

学び

はじめに

こんにちは。慶應通信4年目の野原たんぽぽです。

先日ついに、慶應通信経済学部で最難関とされる「経済原論(マクロ経済学)(E)」の試験に晴れて合格いたしました…!

私はここ1年間ずっと、「自分はマクロ経済学に合格できないのではないか」「そのせいで卒業なんてできないのではないか」という不安に支配されて、嘘ではなく本当に眠れない日もあったほどでした。

でも、合格した今だから言えるのは、「慶應通信のマクロ経済学は、決して登頂不可能な山ではない」ということ。
緻密な努力を重ね、試験に備えれば、合格は十分に可能です。

とはいえ、どんな風に勉強を進めていったら合格まで至るのか…

私もかつては情報を求めてネット上を彷徨っていましたが、どこを探しても先輩の合格体験記などというものは出てきませんでした。慶應通信は孤独な戦いの連続だから、仕方ない。そう思っていました。

今回、私はマクロ経済学の200時間近い学習を通じて試行錯誤する中で、自分なりの勉強法にたどり着きました。他の人にも再現できる勉強法を編み出せたと思うので、皆様にシェアしたいと思い、ここに記すこととしました。

かつての私のように、不安で眠れぬ夜を過ごした誰かにも、この記事が一筋の光となりますように…。

この記事でわかること

  • 前置き
    • マクロの勉強を始める前に知っておきたいこと
      • 数学要素はそこまで強くない
      • 教科書からしか問題は出ない
      • 範囲はそんなに広くない
      • 短時間の勉強で理解することは難しい
    • 「慶應通信のマクロ経済学は、標準的な経済学部の1~2年生レベルである」
      教科書は標準レベルなのに、なぜ難しいのか?
    • かけるべき勉強時間
      • 150時間確保するための戦略は2つ
  • 勉強方法
    • 教科書の全ページをA3サイズにコピーする
    • 1回目は「精読」じっくりじっくり読んでいく
    • 1回目の精読を終えたら、教科書の全範囲をトピック分けする・チェックリストを作成する
    • 2周目から、すべてのトピックに対し「白紙再現」をやっていく
    • 試験までに最低3周、いや5周はやろう
    • 実際の試験での解答方法
  • マクロの前に通っておいた方がいい科目・スクーリング
    • 国民所得論
    • ミクロ経済学
    • 金融論
    • 経済学
    • マクロ経済学(スクーリング)
  • よくある質問
    • 何回目の受験?本気出したのは何回目?

(大変申し訳ないのですが、伝えたいことが多すぎて前置きがかなり長くなってしまいました…。
勉強方法が気になる方は「勉強方法」の節まで飛ばしてくださいね!)

マクロの勉強を始める前に知っておきたいこと

まずは記事を書き進める前に、勉強を始める前までに知っておきたかったことをまとめます。

数学要素はそこまで強くない

まずお伝えしたいのは、慶應通信のマクロ経済学ではそこまで複雑な数学を使いません。

200時間以上掛けて勉強した結果、マクロで一番使ったなーと思う数学要素は、割り算と引き算に分数。(笑)
次に指数の計算(高校レベルだが1日で身につくレベルで、そんなに難しいものではない)。

あとは一次関数レベルのグラフを読む力(中学生レベル)。そしてパーセントや比率の計算(小学生レベル)。

もし教科書のページをパラパラとめくっただけで「数式多い…まずは数学からやらなきゃ…」と思って足踏みしている方がいるとしたら、そんなに勿体無いことはないです。まずは教科書を読んでみてください。

強いて言えば、1ページだけ数学付録的な「備考」の説明で微分と全微分が使われていますが、あくまで「備考」であり、そのページからメインで試験に出題される確率はかなり低いと思われます(保証はしません)。

教科書からしか問題は出ない

過去問題を見る限り、常に教科書の範囲から忠実に出題されています。

マクロ経済学の勉強をする者たちの中でいつも議論になるのが、「指定教科書以外のテキストをやるべきか否か」。

教科書だけをしっかり勉強して合格した今の私なら、「教科書だけを愚直にやること」をおすすめいたします。

マンキュー、ジョーンズ、クルーグマン…
著名な経済学者による分厚い教科書も読むべきという意見も多くありますが、あくまで出題されるのは「慶應通信の経済原論(マクロ経済学)の教科書」の中から。

他の教科書では変数の扱い方が異なったり、同じモデルでも違う式を使っていることが一般的です。同時期に別の教科書を読み進めると、高確率でごっちゃになり、混乱します。

限られた時間しかないことを考えると、近道は正規の教科書を完璧にすることだと思います。

範囲はそんなに広くない

これはマクロ経済学の唯一と言っていいほどの長所だと思います。

範囲は教科書にして143ページ、章にして4章分です。

短時間の勉強で理解することは難しい

範囲が広くはないんですけど、そのぶん一つ一つの単元としっかり向き合わなくてはいけません。

これはあとでも書きますが、慶應通信のマクロ経済学の勉強には時間を割かなくてはいけない理由があります。

まずは認識を変えるべきこと
「慶應通信のマクロ経済学は、標準的な経済学部の1~2年生レベルである」

今から少し厳しい話をします。

実は慶應通信のマクロ経済学の教科書の内容は、一般的な大学の経済学部で考えると、そこまで高度なものではありません。

とはいえ最初の頃の私は、このマクロの教科書が難解すぎて、
「これ、もしかして大学院レベルの内容をやらされてるのでは…?」と本気で疑っていました。

今まさに取り組んでいらっしゃる皆様の中にも、同じように感じている方がいるかもしれません。

しかし、いろいろ調べていくうちに、どうやらそうではないことがわかってきました。

印象に残っているのは、インターネット上でのこんなやり取りです。

いわゆる駅弁大学の経済学部2年の学生さんが、「うちのマクロの授業難しすぎない?どう思う?」と、授業で使っているマクロ経済学の教材を載せて投稿していました。
その教材は、私から見ると慶應通信の教科書より少し難しいと感じるくらいの難易度でした。

ところが、その投稿に対して、京都大学の経済学部3年の学生さんが、「この内容なら京大の一般教養(1・2年)の講義でも6割くらいは扱っている」と返信していました。

つまり、慶應通信の教材よりも難しい内容を某駅弁大学の「2年生」の方がやっていて、さらに、京大ではそのような内容は学部1・2年生のうちに終わらせるのだ、という事実。

もちろん、たったひとつのやり取りだけで大学ごとの難易度を一般化することはできません。

それでも、当時「慶應通信のマクロは大学院レベルなのでは」とすら思っていた私には、かなり衝撃的でした。

そこで、この試験期間中、私とマクロの勉強を一緒にしてきたAIにも、「慶應通信のマクロの難易度は一般的に見てどう?」と聞いてみました。

すると、こんな答えが返ってきました。

慶應通信のマクロ経済学の教科書は、「標準的な経済学部の、1〜2年生の入門マクロ経済学」レベルです。

そもそも慶應通信の普通課程では、マクロ経済学は2年次に配本されます。その時点で、少なくとも「この内容は2年目でもできる」と学校側が判断しているということです。

では、何が言いたいのか。

「標準レベルなのだから簡単なはずだ!」なんて言いたいわけではありません。
初めて学ぶ人にとって難しいものは難しいですし、慶應通信ではこの内容を自学自習で理解し、科目試験では論述できるところまで仕上げなければなりません。難しく感じるのは当然だと思います。

ただ、
「自分には到底理解できないほど高度な学問をやらされている」
と思う必要はなく、
もちろん「大学院レベルの難解なマクロに挑む」のではなく、
「経済学部で標準的に学ぶマクロ経済学を、これから一つずつ身につけていく」のだと認識を改めることで、慶應通信のマクロに取り組むハードルを下げられたらいいのではないでしょうか?という提案です。

教科書は標準レベルとわかった。ではなぜ難しいのか?

講義がなく教科書だけで独学する必要がある

普通の大学生は、1つの講義を基本的に「週1回×15回」、つまり半年間かけて修得します。

しかも、授業は教授から教えてもらえます。

それに比べて、慶應通信では1つの科目を、「レポート締切後〜試験日」までの約1ヶ月半で修得しようとする人が大多数です。

そして人から教わるのではなく、全くの独学で習得する必要があります。

ここに、慶應通信のマクロ経済学に合格することが難しいことの本質があると思っています。

本来なら90分の講義で人から教わって、半年間かけてじっくり復習しながら修得する内容を、たった1ヶ月半で、働きながら修得しようとする。

流石に無理があります。

ならば、どう戦っていけばいいのか。
大切なのは、勉強時間をそれなりにかけることだといえます。

かけるべき勉強時間

マクロ経済学に絶対に合格したいなら、ある程度まとまった勉強時間をコミットする必要があります。

私は最低限150時間、MAX250時間を提案します。

実際に私は4回目の試験では、160時間の勉強に取り組みました。
ここに1-3回目までの試験の勉強時間、マクロ経済学のレポート・再レポートにかけた時間を合計すると、おそらく200-250時間は超えるのではないかと思っています。

この数字を設定した理由は、150時間かければ教科書をじっくり読んでも3-5周はできるからです。

私の場合マクロの試験範囲を丁寧に1周するのには、30-40時間程度がかかります。
あとで説明する「白紙再現」の勉強法で、試験で実際に戦えるまでに知識をつけるには、教科書3周目からがスタートだと考えています。
そのため、この勉強時間を提案しています。

もちろん、こんなに勉強しなくても合格する方は合格するでしょう。
それでも、「本気で」受かりたいと思っている方には、これだけの勉強時間はやはり必要だと思います。

150時間というと多く感じますが、ある程度の難関資格1個分くらいに相当すると考えて臨めば気が楽ではないでしょうか。
例えば簿記2級やFP2級などの資格に受かるには、このくらいの勉強時間が最低限必要とされています。

私は慶應通信のマクロに挑むこととは、そのレベルの難関資格に挑むことと努力量では似ているのだと認識をして挑みました。

150時間確保するための戦略は2つ

そうはいっても、働きながら勉強をしている慶應通信生の方が、1ヶ月半で150時間以上の勉強時間を確保するのは中々難しいと思います。そこで提案したいのが、下記の2つのどちらかの戦略です。

  • 1回の試験で受かろうとしない
  • 受験科目をマクロ経済学1本に絞る

1回の試験で受かろうとしない

これは最も実践しやすい勉強時間の確保の仕方だと思います。

そもそも、マクロ経済学の一発合格を目指さない。2・3回の複数受験を通じて受かるように勉強していく。

2回受験で合格を目指す場合→受験1回あたりの勉強時間:150時間÷2回=75時間
1日あたりの勉強時間:75時間÷45日(試験前1ヶ月半を想定)=1.66時間

この場合、試験前の1ヶ月半に毎日1時間40分程度のマクロの勉強を2回繰り返せば150時間に到達します。
これなら、1日3〜4時間勉強できる方なら、十分他の科目とも並行して試験勉強ができると思います。

3回受験で合格を目指す場合→受験1回あたりの勉強時間:150時間÷3回=50時間
1日あたりの勉強時間:50時間÷45日=1.11時間

さらに分散して3回の受験の間に合格を目指すなら、1日1時間10分を45日×3回=135日続けることができれば合格ラインの勉強時間に到達します。

周りの慶應通信生の方をXで拝見していると、Xに数百人いる同じ経済学部生でも、マクロ経済学に一発合格した方は2名ほどしか観測したことがありません。

ほとんどの方が、マクロは複数回受験で合格されています。
聞いたことのある回数だと9回・8回・7回・6回・4回・2回などなど…
それらの方はそれだけの回数の試験勉強をこなすうちに、どんどん勉強時間が積もり重なって合格ラインに達することができたのだと思います。

そう考えると、マクロに一発合格するのはかなりのレアケース。
あまり焦らずに、じっくり勉強時間を積み重ねていくという気持ちで複数回受験をしていく戦略はいかがでしょうか。

受験科目をマクロ経済学1本に絞る

そうはいっても早くマクロに受かりたい、そういう方もいらっしゃると思います。
そんな方におすすめなのが、この戦略です。

実際に私も今回は、この戦略にしたからこそマクロを取れたといっても過言ではありません。
受験科目をマクロ経済学だけに絞り込んで、集中的に勉強する。

1日に必要な勉強時間は

150時間÷45日(試験前1ヶ月半を想定)=3.33時間

1日の勉強時間が3時間20分。
この数字なら、フルタイムで働いている方でも、やや無理はしますが頑張れば到達できる範囲ではないでしょうか?

しかしこの戦略は、履修計画にある程度ゆとりのある方でないと難しいかもしれません。
最短卒業を目指されている方などは、1回の試験科目を1科目にするのはリスクがありそうです。

それに、1科目に絞ったのにマクロの出題との相性が最悪でダメだった場合のダメージはあまりにも大きいです。
例えば、1科目に絞ったのにやる気が出ず勉強をサボってしまって、ダメだったというパターンも起こりうるでしょう。

この戦略を取る場合は保険として、他の群で「持込可」の科目を1-2科目入れておいてもいいかもしれません。
持込可の科目は必然的に必要な勉強時間も少なく済みますし、最悪ノー勉でもなんとか受験しにいくことはできると思います。

勉強方法

さて、すみません。熱がこもりすぎ、前置きが長くなりすぎてしまいました…!
ようやく私が今回行った勉強方法について、紹介していきたいと思います。

教科書の全ページをA3サイズにコピーする

「いきなり何だそれ?」と思うかもしれませんが、
まず私がやったことは、『経済原論(マクロ経済学)』の教科書の全範囲を、コンビニで見開きA3に拡大してコピーすることでした。

これをやる意図としては、
教科書の説明だけでは自分が理解できない部分について、補足を書き込むためのスペース(余白)を十分に確保するためです。

マクロ経済学の教科書は、限られたページ数で多くの内容を扱うため、説明がかなり省かれていたり、コンパクトにまとめられています。なので、初学者が独学で読むと、

「なぜここからこの式になるんだ…?」
「この変数は一体何を意味するの…?」
「あれ、この文章とこの文章って何で繋がっているの?」

などなど、数々の疑問が浮かんでくることと思います。

そこで、教科書をA3に拡大コピーすることでできた余白に、AIに質問して理解したことや、自分なりに噛み砕いた説明などをどんどん書き込むことにしました。

見開き2ページが1枚10円だとして、教科書の範囲は143ページなので、大体700円代。
時間も30-40分くらいでコピーできると思います。

持ち運びしづらくなるという懸念に関しては、
半分に折り畳めばA4サイズなのでお仕事カバンにも入ると思うし、なんならその日やる範囲だけをピックアップしてもっていけば、紙数枚の持ち運びで済むのでむしろ楽かもしれません。

まずは教科書のA3拡大コピーを試してみてください。

1回目は「精読」
じっくりじっくり読んでいく

教科書の読み方は100人いれば100通りあると思いますが、
私はこのマクロの教科書に関しては「精読」をとにかく重視しました。

この教科書を100回読んだとしても、読み方が乱暴であれば絶対に理解できません。
逆に読んだ回数が1回でも、それがとても丁寧な読み方であれば100回読むよりよっぽど効果が高いでしょう。

私の目標は、一文一文の論理をしっかり追いかけながら読むこと。
すべての文章に対して論理の飛躍を一切感じなくなるまで、理解すること。

そのために、先ほどお伝えしたように、余白と、文章の行間を補うスペースを作りました。

1回目の精読は時間がかかりますが、やることはシンプルです。

  • 一文ずつ読んでいく。
  • 「この文章の意味がわかるか?」「この文と文のつながりがわかるか?」自分に問いかけながら読み進めていく。
  • 少しでも「わからない」と思う部分があれば、AIにその意味を尋ねる。
  • AIの解答を精査する(間違った答えを言っていないか調べる)。
  • 正しい理解が得られたら、余白のスペースに「次の自分が読んでもわかるように」補足説明を書き込む。

1回目はこのように読んでいきます。

参考までに、私はこのような書き込みを行なっていました。

(写真)

特に式変形の省略されている部分は、AIの得意分野でもあり、わかったら一気に理解が進む部分です。

ちなみに使用するAIはClaudeがおすすめです(私はProプランを使っていた)。
Chat GPT,GeminiなどのAIでは時折頼りない説明が見られ、ちょっと本気の試験対策に使うのは怖かったです。

そしてこの1回目の精読には、かなりの時間がかかります。
私は50-60時間がかかったと記憶しています。

わからないところを全部調べ、書き込みながら行うためです。
最初は心が折れそうになると思います。

ですが、ここを乗り越えれば、マクロの試験対策の1/3は突破したと言っても過言ではないでしょう。
頑張っていきましょう。

1回目の精読を終えたら、教科書の全範囲をトピック分けする
チェックリストを作成する

教科書を一通り精読し終えたら、次に試験範囲全体を細かいトピックに分けて、チェックリストを作りました。

私の場合は、全範囲を52トピックに分けました。

(画像)

このトピック分けは、単に「第6章、第7章…」と進捗を管理するだけのためのものではありません。

この後の学習では、トピック名だけを見て、その内容を何も見ずに説明できるか確認する「白紙再現勉強法」を繰り返していきます。

白紙再現の詳しいやり方は後ほど説明しますが、ここではひとまず、
「そのトピックについて、試験で問われたときに説明すべき内容を、何も見ずに一通り再現する」練習だと思っていてください。

そのため、このトピック分けは非常に重要になります。
トピック分けの基準は、
「自分が1回の白紙再現を行うときに、無理なくひとまとまりとして再現できる範囲」

にしました。

例えば、「第8章 長期のマクロ経済均衡」のように章全体を一つのトピックにしてしまうと、範囲が広すぎて復習しづらいですよね。
そこで、8章の場合は私は

  • マクロ生産関数と労働の限界生産力
  • 労働需要曲線、労働供給曲線
  • 労働市場均衡、完全雇用労働投入量、潜在産出量
  • 長期のマクロ経済均衡と貨幣の中立性、長期でPとWがどのように調整されるか
  • 貨幣数量説
  • フィッシャー方程式
  • 成長会計
  • ソローモデル
  • ローマーモデル(AKモデル)
  • 練習問題

のように、計10トピックに分けていました。

そこから、例えば「今日は今から「労働市場均衡、完全雇用労働投入量、潜在産出量」のトピックを白紙再現できるかな…?やってみよう!」というふうに、一つ一つのトピックに対して白紙再現を積み重ねていく、という形です。

チェックリストには、以下の写真のように、
「トピックのタイトル|ページ数|重要度|2|3|4…と何周目かカウントできるようなチェック表」
という感じで項目を作りました。

(写真)

このチェックリストは皆様のために配布したいのは山々なんですが、著作権の問題などを考慮し、お配りはできません。
画像が粗いですが写真は掲載しておりますので、ぜひ自分なりのチェックリストを作ってみてください。

2周目から、すべてのトピックに対し「白紙再現」をやっていく

はい、ここからが一番の関門です。白紙再現。
めちゃくちゃ脳に負荷がかかりますが、効果は抜群です。

私なりの白紙再現のやり方は、以下のようなものです。

白紙再現のやり方

  • 「ここからここまで覚えたい」という範囲を決める
  • その範囲のテキストを読み込む
  • 「今読んだ内容を白紙に再現できるか?」という観点で、目の前に白紙を用意し、何も見ずに書き出す
  • 書けても書けなくてももう一度テキストに書かれていることをチェックして復習する
  • 先ほどのステップで作ったチェックリストに、到達度別に○△×の評価をつける
  • 書けなかったらもう一度白紙再現にチャレンジする

このように進めていきます。

もちろん、1回目でいくら深く精読したからといって、2回目から急に白紙再現ができるようになるわけではありません。
本当に安心してください。白紙再現はたったの2回目でそんなに簡単にできるものではないのです。

ひたすら繰り返して、やっと5回目くらいでできるようになってくれば上出来です。

逆にいうと、5回目くらいになってくると、あの難しかったはずの教科書がすっぽり自分の脳みそに収まっていて、それが自分で白紙から完璧に説明できたときの快感は、何よりも素晴らしいものです。

忘れないでおきたいのが、先ほどのステップで作ったチェックリストに到達度を○△×で書き込むこと。

私は2周目なら

  • 骨格が書けた→○
  • 一部書けなかった、あやふやな部分がある→△
  • ほとんど書けなかった→×

の基準でチェックをつけていました。

また、枠が小さいですが大体の白紙再現までにかかった時間もメモしていました。

かかった時間も、得意不得意に関わることだと思うのでチェックし、

次回の周回では、「○がついているところや短時間で終わった項目は飛ばす」ことにして、復習の時間をできるだけ削減していました。

試験までに最低3周、いや5周はやろう

ここまでも大事なことを書き連ねてきましたが、もっと大切なことを挙げるとしたら、とにかく「繰り返す」こと。

白紙再現は辛いです。
白紙に再現が全然できない自分と向き合い、本当に逃げ出したくなります。

でも、繰り返し続けていけば、必ずできなかったトピックを白紙再現できる日がきます。

私が特にこの教科書で難しいと感じていたソローモデル、ローマーモデル(AKモデル)に関しては、こんな記録が残っています。

ソローモデル→×(3時間9分・2回目)→×(4時間・3回目)→○(3.5回目)→△(4回目)→△(4.5回目)→○(5回目)

ローマーモデル(AKモデル)→×(50分・2回目)→×(1時間30分・3回目)→×(3.5回目)→×(4回目)→△(4.5回目)→○(5回目)

(写真)

はい、この記録を見るとわかる通り、5回目の○に至るまでかなり苦戦しました。

特にソローモデルの2・3回目に3-4時間の復習時間がかかったり、1回○になったと思ったらまた△に舞い戻ったり。
ローマーモデルは4回目までずっと×で、気持ちの面でも乗り越えるのが大変でした…。

でも、最後は乗り越えた。

かかる時間に関していうと、私の場合、白紙再現をしながらの2周目以降は、教科書1周にかかる時間が大体30−40時間でした。

そして、自分の中でブレイクスルーを感じ始めたのが3.5周目(3周目と4周目の間に軽く挟んだ回です)。
さらに、ほとんど完全に頭の中に教科書が入っている…!と思えたのは5周目でした。

ここまでのブログを読んでくださった方ならわかる通り、私は泥臭く勉強をするタイプなので、別に記憶力や容量が特別いいタイプではないです。
そんな私でも5回繰り返せばいけたので、皆様ならもっと早くできるんじゃないかと思っています。

まとめ

  • 教科書のA3コピー
  • AIをアシスタントにした精読
  • チェックリストを作る
  • 1トピックずつ白紙再現する
  • 5回は繰り返す

さて、これが私の勉強法の5行まとめになります。
5行で済む話を、こんなに長々と説明しまって申し訳ないです。

「あなたの言っていることって要は、教科書を丸暗記しろってことでしょ?」と言われたら、
正直「YES」です。

はい、教科書を愚直に丸暗記しましょう。
できるだけ理に適ったやり方で。

それが慶應通信の試験をS評価で突破するための、唯一の最短経路なのです。

実際の試験での解答方法

これ、気になる方が多いのではないかと思っております…。

マクロではどのように解答するのが合格しやすいのか?
何か受かっている人に共通の形式はあるのか?

S評価で合格した私が解答の際に意識したことは2つしかありません。
それが、

  • 「問われていること」に明確に答えること
  • 教科書通りに書くこと、教科書以上のことは書かないこと

です。

マクロの過去問をお持ちの方ならきっと、マクロの試験では、「教科書に書いてあることをその場でそのままそっくり再現できれば解ける問題」しか出ないことをご存知だと思います。

ですが多くの方が、あの難しい教科書を覚え切ることができず、解答用紙上に再現もできず、なんとか今知っている知識をつぎはぎで組み合わせて書いて、問われていることにも答えず、教科書通りでもなく、撃沈。

となってしまっているのではないかと想像します。

特にSNS上でよく見かけたのが
「教科書通りに書いたのに、マクロD(不合格)でした」という声。
厳しい意見になりますが、おそらくこのような方は、本当は真の意味での「教科書通り」には書けていなかったのだと思います。

私は、7月の試験で自分の提出した解答をあとから書き起こして教科書と比較してみたのですが、本当に寸分の狂いなく「教科書通り」に書けていました。

寸分の狂いなく、とは言ったものの…実は嘘です。すみません。
S評価を目指す方のために一応お伝えしておくと…
私も、7月の試験でケアレスミスを3個ほどしました。

  • ①π*としなければならないところを、πtと書いてしまった
  • ②S(YD,G)としなければならないところを、YDのDを書き忘れてS(Y,G)としてしまった
  • ③グラフの均衡点に「E」を書き忘れた

私は、試験後この3つのミスにすぐに気づき、「これでどのくらい減点されてしまうのだろう…もしかしたら不合格になってしまうかもしれない」と、結果発表まで怯えて過ごしました…(笑)

しかし蓋を開けてみると、「S」の評価。

いくら採点が厳しいとされるマクロ経済学でも、このレベルのミスなら通してくれるのだなぁと感動しました。

ちなみに私と一緒の回でもう一人マクロでS評価をとった方がいたのですが、その方も
Ld(W/P),Ls(W/P)のところをLd=(W/P),Ls=(W/P)と誤って書いてしまったとのことでしたが、S評価でした。

問いに答えており、教科書通りに書けていれば、ケアレスミスレベルの些細なミスは見逃してもらえるということがわかりました。

「量」で見る私の今回の勉強

量的には今回どのくらい勉強したのでしょうか。2つの観点で振り返ってみます。
①ノートを使い切った冊数
②勉強時間
です。

ノートを使い切った冊数

DAISOで買ったA4のレポートパッド、この両面をしっかり使い切って、3.5冊です。
すごく多いわけではないかもしれないけれど、まあまあ書いて勉強したのかなと。
最初は意気込んで10冊購入しましたが、流石にそこまでは至らなかった…。

もちろん「書く勉強」以外にも「読む勉強」「口に出す勉強」もたくさんしたので、このレポートパッドの冊数はあくまでも一つの指標です。

勉強時間

先にも触れた通り、今回の「2026年7月試験」のためだけのマクロの勉強時間は、160時間ほどでした。
でも多分、レポート(2回目で合格)にかけた勉強時間や1・2・3回目の受験の勉強をトータルで考えると、200時間-250時間くらいになるんじゃないかなぁ。と、ちゃんと数えていないけど、思います。

私が勉強を記録しているアプリ「YPT」での記録を振り返ると、7月4日の試験に対して、5月28日から試験対策を始めていたようです。

その時の日別の勉強時間は、以下の画像の通り。

たまにサボったりしながらも、平均的に1日5時間近くを勉強に費やしていたようです。

最後の3日間は、仕事を休んで頑張りました(のに、そんなに伸びてない…泣)。

週別で見ると、以下のような感じ。

意外と試験1週間前より2週間前の方が頑張っている。


さて、私が勉強法のところで書きたかったことは、このくらいでしょうか。
もし追加で「この項目がほしい」というリクエストがあればお応えしたいので、ぜひコメントをください。

次は、番外編でマクロに関連する科目や質問にお答えしていきたいと思います。

番外編

マクロの前に通っておいた方がいい科目・スクーリング

さて、私は慶應通信経済学部の必修科目はマクロで完全にとり終わったのですが、マクロに手をつける前にやってよかったなーと思う科目をご紹介します。

国民所得論(専門・テキスト)

マクロと同じB群の国民所得論。
この科目は、難易度も易しく、配本された瞬間に手をつけるのがおすすめです。
教科書が非常にわかりやすく書かれており、範囲がかぶっているのでマクロ経済学への理解も深まります。
計算を使う演習問題が多く、難しい理論を実践的に理解していけるのがおすすめポイント。

しかし、変数の扱い方や均衡式の表現が「経済原論(マクロ経済学)」や「金融論」と異なる部分があり、それらと同時並行でやるのは混乱するかも。

ミクロ経済学(専門必修・テキスト)

ミクロの理解がマクロ理解の土台になっていたりします。
特に第8章の長期マクロ経済均衡では、企業の利潤最大化行動から労働需要を考えたり、家計の行動から労働供給を考えたり、とミクロ経済学で学んだ考え方が登場します。

また、科目試験の難易度も、個人的にはマクロよりミクロの方が取り組みやすく感じました。
どちらも必修・しかも最重要・最難関の経済学部の科目なので、まずはミクロを終えてから、腰を据えてマクロに挑戦する順番がおすすめでございます。
多分マクロの勉強中に「またミクロも残っている…」と思うよりは、一つ大きな科目を終わらせてからマクロに集中する方が、精神的に楽かと思います…。

金融論(専門必修・テキスト)

手をつける順番に関して、人によって意見は異なるかもしれませんが、私はマクロの前に金融論を終わらせてしまうことを強くおすすめします…!

理由としては、金融論は「広く浅めに」なのに対しマクロは「狭く深く」なので、金融論(浅め)→マクロ(深め)とスムーズな橋渡しができるからです。

金融論の教科書では、金融の教科書とはいえ、広く浅く「経済学部1・2年の基礎教養の経済学」を一通り学ぶことができます。しかも、マクロの教科書とは違い、わりと直感的にわかりやすく書かれていると思います。

私は金融論の勉強を経て、マクロに対する解像度がとてつもなく高まったと考えています。マクロでは省略されている部分も、金融論は丁寧に数式を交えて学べたりします。
マクロの教科書に書いてあることだけでなく、その裏側にあるものが見えるようになる、という感覚でしょうか。

経済学(総合教育科目・テキスト)

これは普通課程・特別課程の経済学部の方には言わずもがなな科目ですが。
経済学の基礎の基礎の基礎を身につけるという意味で、絶対に欠かせない科目だと思います。

これはマクロのためというよりは、他のすべての科目の土台として、経済学部生なら絶対に通るべき科目だと思っています。

マクロ経済学(専門・スクーリング・T先生)

私は今年の夏のスクーリングで、T先生による「経済原論(マクロ経済学)」を受講しました。
結論、めっちゃよかった…!

この、慶應通信の特殊なマクロの教科書にほとんど準拠して授業をしてくれるので、試験対策に直結すること。

そして、演習問題を豊富に用意されていて、説明を聞くだけに終始せず、学んだ理論を実際に使って問題を解くので、「知っている」から「自分で使える」ところまで到達点を高められるのがよかった。
先生のお名前が知りたい方は、シラバスを見てください。

ただし一つ注意があって、『経済原論(マクロ経済学)』の教科書を読んだことがない方は、授業のペースが速すぎて詰む可能性があります。
受講するならば、最低1回、できるなら2回はマクロの教科書を読んでいくのがおすすめです。

よくある質問

何回目の受験で合格しましたか?
また、それは1回目から真剣に取り組んだ結果ですか?

私は4回目の受験にしてやっと合格しました。
恥ずかしながら、4回目にしてやっと闘志に火がついたというところでして…。

1・2・3回目の勉強はまったく、合格レベルに達するものではなかったと思います。

1回目→流石に怖いので問題見に行くだけのノー勉。誰もが教科書の中で絶対にチェックしていないワードから出題され、阿鼻叫喚!
マクロの怖さを思い知ると同時に、細かいワードまでチェックしなきゃと背筋を伸ばす。

2回目→やはり、あまり勉強できず。「やっぱりこの教科書は難しすぎる」と教科書に怯えてしまい、気持ちがマクロから離れてしまっていた頃。
一方で、同時受験した国民所得論がマクロの理解増進に寄与してくれている気がして、学んでよかったと思ったところ。

3回目→自分では勉強したつもりだったけど、やっぱり足りなかった。
主要と思われるテーマの公式を丸暗記したり、記号や語句の意味などをある程度覚えて臨みました。
勉強時間は20-30時間だったかなー。
「ここは難しすぎる単元だから出ないでしょ」とタカを括っていた範囲からピンポイントで出題され、撃沈。
「難しすぎるから出題されないなんてありえない、マクロでは難しすぎるからこそ出るんだ」と、襟を正せた機会でした。

4回目→そろそろ受からないと卒業できないぞ私、と、やっとふんどしを締めてかかった4回目。
腰を据えて準備し、やっとの合格でした…。

という感じで、本気で準備できたのは4回目が初めてでした。
だから、1回目でも本気出せば受かることは不可能じゃないと思います!

最初からあの難解なマクロの教科書を理解できましたか?

答えはもちろんNOです。

最初はわけがわからん!と混乱状態のまま読んでいた記憶があります…。

一時期はマクロの教科書が怖くなってしまって、近づきたくすらなくて、完全に距離ができてしまった時期もあります。

ですが、勉強法のパートで紹介したようにAIをアシスタントにした精読を積み重ねることで、今では「人には説明できるだろうな」くらいにまで理解が進みました。

大丈夫。多分、最初は誰もあの教科書を読めない。
そこから、頑張って合格の境地へ至って、そしてそこへ辿り着いたものだけが慶應通信経済学部卒業の門を叩くのです。

白紙再現勉強法について詳しく知りたいのですが?

はい。白紙再現勉強法はとてもとてもおすすめの勉強法です。
マクロに限らず慶應通信の科目試験の勉強は基本的に白紙再現をベースに進めております。
決して易しい勉強法ではありませんが、苦しいぶん、S評価を取ることとの相性が非常にいいです。

私が最初にこの勉強法を知ることになったきっかけは、慶應医学部出身の安川康介さんによる『最高の勉強法』という本を読んだことです。

この本はいくつかの勉強法を科学的な観点から評価し、最終的に白紙再現法が最高峰の勉強法であると結論づけている本です。
もしご興味があれば読んでみてください。

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