この記事について
こんにちは、野原たんぽぽです。
この記事では、私が慶應義塾大学通信課程の2023年夏期スクーリングで受講した科目について、レビューを書きます。
普通課程で入学して初めてのスクーリングのため、科目はすべて総合教育科目です。
同じ科目を申し込まれる予定のみなさまの参考になれば幸いです。
免責事項
当ブログで公開された受講の記録は、読者の成績を一切保証しないとともに、一切の責任を負いません。
また、大学の授業は担当者によって随時変更がなされるため、最新の情報であることを一切保証しません。
受講科目一覧
- 第Ⅰ期午前:社会心理学(杉浦 淳吉)
- 第Ⅰ期午後:生物学実験A(古川 亮平/福澤 利彦)
- 第Ⅱ期午前:経済学(北條 陽子)
- 第Ⅱ期午前:環境学入門(宮本 佳明/大平 哲/青木 淳一/小島 恵/林 良信/一ノ瀬 大輔/林 健太郎/小林 宏充/清家 裕/土居 志織)
- 第Ⅲ期午前:地理学(山本 真紗子)
第Ⅲ期午後:社会学(竹村 英樹)※受講キャンセル- ※リンクは、公式サイトのシラバスにリンクします。
以下でそれぞれの科目のレビューを書いていきます。評価のポイントとする項目は5つ設けました。
①単位の取りやすさ
遠方から来る方もいらっしゃるので、大事な項目だと思っています。
「楽単かどうか」ではなく、「ちゃんと単位が来るか」を見ています。
②成績評価の明確さ
曖昧な評価基準がなかったかを評価します。
③授業内容、楽しさ
私の感覚になりますが、最も重視しています。
④先生とのコミュニケーション
質問のしやすさを評価します。
⑤グループワーク有無
授業内でのGWの頻度を評価します。
第Ⅰ期
「社会心理学(杉浦 淳吉)」
- 単位の取りやすさ
- 取りやすい。テスト問題の内33%しか解答しなかった友人にも単位が来ていた。
- 成績評価の明確さ
- 明確。最終日試験のレポートをしっかり作成しておけば高評価。
- 授業内容、楽しさ
- とても楽しい。友人と一緒に座るとなおよし。
- 先生とのコミュニケーション
- 非常に取りやすい。授業中、授業後いつでも質問に真摯に答えてくれる。
- 真摯すぎて他の受講生に申し訳ないくらいしっかり時間をかけて答えてくれるので、適当な質問はしないこと。
- グループワーク有無
- ガッツリある。毎日のように行われる。内容はほぼゲームなので楽しい。
- 不安なら毎日友人と座ることを推奨。
詳しく
杉浦先生のお人柄がよく、話を聴いているだけであっという間に時間が過ぎる授業でした。
先生の授業手法は、ゲームの中で社会心理学の内容を学ぶというもので、ゲームのたびに教室が熱気溢れる感じになるので毎回楽しかったです。ほぼ毎日、周りの6人でグループになるか、教室全体を動き回って多くの人とコミュニケーションをとる必要がありました。私は色々な人と話せるのが嬉しく、毎朝教室に行くのが楽しみでした。
成績はおそらく毎日の提出物と、最終日の試験(レポート)でほぼ決まるかと思います。一緒に受けた子は「評価甘め」と言っていました。
「生物学実験(古川 亮平/福澤 利彦)」
がん細胞を顕微鏡で観察したり、魚のある組織からDNAを抽出できたときは感動しました。
- 単位の取りやすさ
- 日々実験に遅刻せず参加し、毎日レポートを真面目に提出していれば、単位が来ないことはないと思われる。
- 成績評価の明確さ
- 不明瞭な部分があった。
- 毎日、
最高S評価までが付されて帰ってくる実験レポートの平均評定がAよりはS寄りだったが、評定はAだった。周りも同様。(私より成績がよかった人も含め)- お詫びと訂正:最高はA+評価。平均評定がA+寄りだったからSがつくと思ったら,評定はAだった。
- 他の先生の生物学実験ではそういった現象は見られなかったので、先生の方針だと考えられる。
- 相対的によくできた人が多くて、レポートが毎日SというレベルでないとSはもらえなかったのかもしれない。(憶測)
- 授業内容、楽しさ
- 楽しい。これからの人生で同じ体験ができるか否かでいえば、絶対できない。顕微鏡や遠心分離機を使うこと、実験に使う材料が個人では手に入らない、希少であることなどが理由。
- まさに大学の一般教養科目でないと経験できないような内容。
- 座学も楽しかった。
- 最初3日間の福澤先生は、やさしい雰囲気でわかりやすい授業。
- 後半3日間の古川先生は、難易度がぐっと上がったものの、「大人の本物の教養としての生物学」という雰囲気でエキサイティングだった。
- 先生とのコミュニケーション
- 取りやすいとはいえない。でも実験中に話しかけると優しく答えてくださる。
- ただし、1人の先生ごとに2人のTAさんがつく。その方々とはかなり話しやすい。
- グループワーク有無
- ほぼ2人ペアでの実験。わからなくても2人で取り組めるので安心。
- 不安なら知り合いと近くに座ることを推奨。
詳しく
生物学実験は、先生によって取り組みやすさ、成績評価などが大きく変わると思います。6日間のうち、前半と後半で先生とTAさんが交代します。
基本的にはその日実験した内容を、点描で描いた図表とともにレポートにまとめ、提出していくのみです。私たちは後半の先生では最終日に口述試験のパートがあったものの、授業内容のクイズレベルであり、ほぼ試験はなしと考えて大丈夫でしょう。
Sをとりたい方は私が受講した際の後半の先生は避けることを推奨します。成績評価だけでなく、実験態度などに関しても結構厳し目です。
(追記)
2024年も後半の先生が同じ実験スクーリングに当選したのですが、なんと最終的にS評価をいただくことができました。
ただし、たまたま1on1で最終日の課題をかなり高く評価してもらったという経緯があるため、Sをとるのが難しい先生なのは変わらなさそうです。
第Ⅱ期
「経済学(北條 陽子)」
計算や一次関数レベルのグラフは出てくるものの、中学レベルの数学知識でいけるかと。
- 単位の取りやすさ
- 絶対に取れる。条件は最終日の試験を必ず受け、評価されるレベルの答案を書くこと。
- 成績評価の明確さ
- 超明瞭。最終日試験の成績のみで評価される。
- 授業内容、楽しさ
- 楽しい。
- 本格的なミクロ・マクロ経済学に入る前の前段階で学んでおくべき基礎的な内容を、満遍なく紹介してくれる。
- とても優しく穏やかな口調の先生であり、睡眠不足の状態で授業に出るのはおすすめしない。
- 先生とのコミュニケーション
- 取りやすい。授業中は講義が間断なく行われるため、質問は難しいが、休み時間や授業後は質問に丁寧に答えてくれる。
- グループワーク有無
- 全くなし。
詳しく
北條先生の経済学は、「自分にはちょっと経済学は無理かも…」という方から、「これから経済学を本格的に学ぶのでその前哨戦として」という経済学部生にもあまねく勧められると思います。
私が一緒に席に座っていた学友さんは、法学部のしかも学士課程で、この授業が単位にならないにも関わらず受講しており、本当に素晴らしいなと思いました。その方に受講の感想を聞いたところ、「単位にならなくても受けてよかった!」とおっしゃってました。
成績は、最終日の試験一発で決まります。出席加点など余計な要素がないぶん、やりやすいかと。何が試験範囲になるかは事前に教えてもらえますが、とても詳しいわけではありません。普通に広範な勉強が必要です。
私はⅡ期に遊び呆けており直前の15分程度の復習で臨んだので、経済学部であるにも関わらず、Sを逃してしまいました…。つけ上がっていた自分に反省です。確かに6日分のスライドは、15分では復習できぬ膨大な量。毎日コツコツ復習するのが一番です。
「環境学入門(教師複数)」
- 単位の取りやすさ
- 取りやすい。ただし、毎日の出席確認となるリアぺ・小テストをしっかり提出することが条件。
- 成績評価の明確さ
- 明確。大きな試験はないのでリアクションペーパーと小テストを毎日頑張っていけばいい。
- いい評価を取りたいなら、出席は毎日したほうがいいらしい。
- 授業内容、楽しさ
- 楽しい。
- ベーシックな科目の多い慶應通信では、中々学べないジャンルの科目だと思う。現代的というか。
- 仕事上必要で取りにきている人も少なくなかった。
- 法学・経済学・気象学などあらゆる視点から環境問題について掘っていくので、知的刺激がしっかりある。
- 楽しい。
- 先生とのコミュニケーション
- 先生による。毎日教授が変わるため。
- 授業後に「質問していいですよ!」という先生のところには長蛇の列ができていた。
- 先生による。毎日教授が変わるため。
- グループワーク有無
- まったくなし。
- 話を聞くだけが苦手であれば、毎日眠くなるのは必須かも。
詳しく
単位は真面目に取り組んでいれば普通に高評価とともにやって来るので、あとは「現代の環境問題に関心があるかどうか」。
毎日違う先生がやってきて、その先生のご専門をギュッと濃縮した授業になるので、スピード的には澱みなく流れていきます。だから、インタラクティブではない授業が苦手な方には、やや眠いかもしれないです。
ただし、そのぶん授業の内容は濃いです。
私ももともと環境問題には関心がありましたが、授業では知らない知識やトピックもたくさんあり、自分の無知さにハッとさせられました。
ある学友さんは、会社で環境問題に取り組むことが増えているので勉強しにきたとのこと。結果、ご自身の事業にもすぐ活かせる部分があってよかったとおっしゃっていました。
最終日の試験はないので、プレッシャーが少ないのがいいですね。授業後に行われる小テストも、スライドを見ながら書けるので、どなたでも問題なく満点を目指せるはずです。
第Ⅲ期
「地理学(山本 真紗子)」
- 単位の取りやすさ
- 絶対に取れる。
- 成績評価の明確さ
- 明瞭。授業内で行うワークシート、出席表、最終日のレポート課題。
- 授業内容、楽しさ
- クリエイティブ系の仕事をしてきた人にはかなり楽しいと思う。
- 逆に真面目にテキストをこなしてテストで点を取る「お勉強」が好きな人にはつらいかも。
- 先生とのコミュニケーション
- 非常に取りやすい。
- 休み時間や授業後は質問に丁寧に答えてくれる。
- 私はメールでおすすめの文献リストを送っていただきました。超丁寧。
- 非常に取りやすい。
- グループワーク有無
- めちゃくちゃたくさんある。
- 挙手制ですが、加点ありの発表も毎ワークのたびに求められます。
詳しく
地理学ってなんぞや、と考えられると思うのですが、この授業は「都市開発・街づくり」について学ぶものです。領域的には建築とか、都市計画の分野かと。山本先生は慶應では非常勤講師ですが、東工大などでも教えられてるそうです。
やはり慶應通信では中々受けられない「今っぽい」授業を受けたい方におすすめかなと思います。
授業は指定の1つのテキストをもとに進んでいきます。私は著者のランドルフ・T・へスターさんの考え方が大好きでした。最後のレポートも、完徹でめちゃくちゃ気合を入れて仕上げました。(多分、そこまでしなくてもSは取れますよ。)
グループワークは、私が2023年に出た中では一番多かった授業でした。GWが苦手な方、都市開発や街づくりについて意見を持てない方には本当に向いていないと思います…
文献が高価なのだけが気になりますが、文献を買わずしてしっかり単位を取っている方もたくさん見かけたので購入しなくても大丈夫そうです。もし買わずに入手するなら、日吉から1kmほど歩いた理工学部のメディアセンターにおいてあるので、そこで借りるのが吉です。そんなところまでわざわざ借りに行く通信生はほぼいないので。
私は最初は理工学部で1週間借りてレポートなどにも使ったのですが、授業後にとてもほしくなって、定価で買いました。笑
おまけ
「社会学(T先生)」※キャンセル
こちらは先輩の勧めでキャンセルした科目です。
単位が取りづらく、地雷だとのこと…
しかし、蓋を開けてみると結果的には大丈夫だったみたいです(2023年から?)。SやA評価をしっかりとっている同期がたくさんいました。
自分でも情報収集してみることが大切だと思います。
まとめ
以上の5教科が、私が普通課程で初の夏スクで受けたものでした。
私は基本的に対面授業が大好きなので、どの授業も楽しく受けられてよかったです。
ぜひ、2024年以降のスクーリング科目選びの参考にしてください!
免責事項
当ブログで公開された受講の記録は、読者の成績を一切保証しないとともに、一切の責任を負いません。
また、大学の授業は担当者によって随時変更がなされるため、最新の情報であることを一切保証しません。